2026/08/21 09:36

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第一回 人生は出会いから始まるー既成概念との戦い×色の自由×人との出会い

既成概念との戦                    
木の葉は、緑でなくてもいい。空は空色でなくてもいいんだ。雰囲気がより出るのだったら、色を変えてもいいんだ。 想いがより出るのだったら、色を変えてもいいんだ。感じた色を選んだ瞬間、前頭葉がそっとシャターをおす。色は現実の写しではなく、心の揺れを映すもの。私はずっと、既成概念との静かな戦いを続けています。10歳の決意:画家になると決めた瞬間
小学校の宿題で読書感想文の提出があり、選んだ本は伝記「陶工柿右衛門」でした。柿右衛門が赤のオリジナル色を出すことに成功した、と言うくだりで、新しい色を見つける楽しさ、おもしろさにひかれたようです。その時、何故か陶芸家になるのではなく、画家になると決めていました。 そこから毎日、同じ問いを自分に投げ続けました。どうしたら画家になれるのだろう。どうしたら絵が描けるのだろう。どうしたら色が使えるのだろう。探すより、決めることから始まった人生。その小さな決意が、のちに大きな出会いを呼び寄せていきます。ただ、裏付けのない自信だけがありました。
人生を動かせた”出会い”の連続
人生は、人との出会いで動き出す。その事を私は何度も体験してきました。ある日、ある人が突然こう言いました。「会場、押さえたよ」驚きと戸惑いでいっぱいになったけど、断りませんでした。費用は私持ちですが、それまでに会う人合う人に、個展がしたいと言いふらしていました。その一言があり、一歩進むことが出来ましたが、3ヵ月後、私の作品の形がまだ見えていませんでした。3ヵ月間右往左往し、画面に絵の具を重ねていくプラスの考えばかりで焦りました。やけくそで洗い流すと、「あっ!」これかなと感じました。マイナス思考です。                         初めての個展。緊張で食事も喉を通らず、夫婦で会場の隅で小さなおにぎりを分け合ったことを今も覚えています。                  その後も、出会いは、連鎖の様に続きました。デパートのウィンドで展示、商業施設の階段したのスペースでの展示。ファン作りの為アンケートボックスを置ました。99%まじめな回答をいただきました。これで来年の案内が出せる。新聞社の掲載、万博の絵地図、イベントのイラストなど、生徒さんの紹介でつながったデパート美術画廊での個展。また一歩前に進む。

原画を抱えて東京へ、これまた紹介で文芸春秋画廊での個展が始まる。会場で出会ったホルベインの営業さん、「これ本当にうちの絵具で制作されたのですか!」グッズ制作会社、出版社、NHK文化センター青山への紹介。すべてが、”人”から始まった縁でした。
デパート催事でエスカレーター横で展示していた時、上がってきた人と目が合い、そのまま作品をお買い上げ、半年後、「福岡で個展をしなさい」人生は、こんなふうに突然動き出すことがあります。もっとすごいのは毎回個展の最終日に来ていただき大きな作品を買っていただきました。
日々見慣れた風景の色が青や紫に偏ってしまうときずいた時、私は海外に目を向けました。違う色が使える様になるかもしれないと。

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初期の作品

【色の哲学ー風の色・光の色】

風の色は、どうやって決めるのか。よく聞かれる質問ですが、答えはとてもシンプルです。
”その瞬間にひらめいた色を選ぶ”
風は形がありません。触れた時の温度、頬をかすめる速さ、草を揺らす音、光の動き。それらが一瞬で混ざり合い、色として立ち上がる。                            

光の色も同じです。光のイメージの色にとらわれる必要はありません。ひらめいた色をかけると、雰囲気の違った作品(物語)が生まれます。その工程をワクワクしながら楽しんでいます。

【技法の話ーにじみ・色を・筆を変える】

どうしても雰囲気が出ない時があります。そんな時、私はあれこれ考えません。
色を変える。筆を変える。筆のスピードを変える。
たったそれだけで、画面の空気が変わることがあります。 にじみは、魔法のような存在です。思いどうりにならないからこそ、”偶然の物語”が生まれる。
にじみをじっと眺めていると、霧の中に浮かぶ山影や、遠くの光の気配が見えたりします。にじみは、絵の中に”時の流れ”を作ってくれるのです。

【制作の裏側ー不安と山に向かって叫ぶ話】

個展の前は、毎回不安でいっぱいになります。寝言は言うし、物忘れはするし、筆を持っているつもりが、手が空を舞っていることもある。「自信を持て」と言われても、そんな簡単に持てるものではありません。だから私は、アトリエから見える山に向かって叫びます。  「パワーをくれ!パワーを!」                              あとは、思い切って展示するだけ。何とでも言ってくれ。その覚悟が、次の作品を生み出してくれます。

【まとめのメセージ】

人生は、出会いで動き出す。色は、自由でいい。既成概念との戦いは、今日も続いている。10歳の時に決めた小さな決意が、たくさんの人との縁を連れて来てくれたように、色の自由を信じることは、新しい表現の扉を開いてくれます。

あなたの心にも、”自由な色”がきっとあるはずです。その色を、どうか大切にして欲しい。それが、あなた自身の物語になります。

第2回の予告  テーマ:色は記憶を呼び起こすー花と風景と心の物語    
・色は記憶を呼び起こす・風景を切り取る技法・距離の哲学・にじみ、風、光、霧、影など書き進めます。是非、読んでください。